『食・農・森』(食べる・作る・育む)~東大生態調和農学機構から 17年1月10日 第18回の放送は楠本大講師です!
『食・農・森』(食べる・作る・育む)~東大生態調和農学機構から 第18回放送
田無駅から徒歩10分も掛からないところに
30ヘクタール以上の耕地や森林が拡がる東大生態調和農学機構。
ここでは食料生産の効率化だけでなく、
地球環境を改善し私たち人類の生存を持続させるための
研究が行われています。
先端研究・教育の施設で、かつ一般開放もされているこの機構について、
現場の先生方や職員の皆さんが登場してお話をしてくださいます。
第18回の放送は楠本大講師をお招きしました!
楠本さんは和歌山県出身。
田舎にお住まいの子どものころは探検と称して兄弟で
山の方に出かけて、あえて行ったことのない農業用道路
だったり畑道を進んで、どこに通じているかを確かめるという
遊びをしていたそうですよ♪
東京大学の林学科、
大学院の森林科学専攻宇都宮大学雑草科学研究センター研究員、
東京大学演習林助教を経て現在東大農場で講師をされています。
もともとは生物が大好きだったそうですが、フィールドに出て大きな
対象を研究したい!とおもって森林科学の分野に進んだそう。
現在の研究のメインは「樹木病理」。
樹木は数十年生き続ける中で、多種多様な動物や微生物に食べられたり
寄生されたりしていますが、樹木もされるばかりではなく、
防御物質を作って感染が拡大するのを防ぎます。
そうした防御が誘導されるメカニズムや、病気になる木とならない木で
何が違うのかを研究しているそうです。
傷ついたり菌が入った樹木にはそこから植物ホルモンが出るそうです。
それが樹木の中を通って、まだ菌がいない、元気なところまでいって
防御する。既に防御物質が出来ているのでその元気なところ
までは菌は広がっていく事ができない。
人間のように意思を持たない植物にもそのように
自分を守るすべがあるそうです。
しかもそれは植物全てがもっているそうですよ!
一方で強い病原菌が来ると枯れてしまうこともあったり、
木々もまるで人間のように能動的に変化しているそうです。
樹木が病気になったり、ならなかったりという先生の研究。
この研究の理解が進めば、どういう木を作れば病気にかかりにくく
なるかもわかる。
そして樹木と昆虫だったり、樹木と微生物の関係などが
より明確にわかるのではないか、と考えていらっしゃるそうです。
研究を進めて私たちの身近にある自然の世界を解明していってほしいですね♪
今は閉門している東大農場ですが、
田無演習林は普段、平日はあいていて見学が出来るようになっているので
是非皆様にお越しいただきたいです、と仰っていました!