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『食・農・森』(食べる・作る・育む)~東大生態調和農学機構から 17年2月14日 第19回の放送は宮沢 佳恵 准教授です!

『食・農・森』(食べる・作る・育む)~東大生態調和農学機構から 17年2月14日 第19回の放送は宮沢 佳恵 准教授です!

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『食・農・森』(食べる・作る・育む)~東大生態調和農学機構から  第19回放送

田無駅から徒歩10分も掛からないところに
30ヘクタール以上の耕地や森林が拡がる東大生態調和農学機構

ここでは食料生産の効率化だけでなく、
地球環境を改善し私たち人類の生存を持続させるための
研究が行われています。

先端研究・教育の施設で、かつ一般開放もされているこの機構について、
現場の先生方や職員の皆さんが登場してお話をしてくださいます。

第19回の放送は宮沢 佳恵 准教授をお招きしました!
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宮沢先生は宮城県の仙台出身。

東北大学→カナダに留学→日本に戻ってきて東京大学で農学博士→
国の農業の研究機関で10年研究職→2012年から東京大学、
以来ずっと西東京に住んでいらっしゃいます。

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子どもの頃は家の裏に山があったり、田んぼの中をよく通っていたそう。
すごく自然が好きな子どもだったそうで、出かける際は長靴と虫取り網
を持っていくのが当たり前だったそうです♪

もともと小さいころから、好きなことを仕事にしたい、
と思っていて、何が自分は好きなことで仕事に結びつくことは
何だろうと考えながら小中高と過ごしていた宮沢先生。
高校で生物学に興味をもち、自然が好きだったので、
その自然を乱開発から守ることができたらいいなと思って
自然や森林のことを学べる植物生態学を専攻したそうです。


その頃ちょうど家の裏山が道路を作るためにつぶされる、
という出来事があり、どんなに森が素晴らしい事がわかっても
開発する側には開発をする理由や論理があるのだから、
開発を単に反対してもうまくいかない→
自然を守りたい側のことはもうわかっているのだから、
開発する側の立場を理解したい→当時は国連に行ったらそういう
開発に関する世界の動きが分かるのではないかと
思っていたので、今度は国連に就職することを目指して留学されます。
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修士論文を書いているときに研究が面白い、ということに
気が付いた宮沢先生。人が行っている開発の中で一番大きな面積
を占めているのが農業のための農地。この農業を自然生態系と調和
したやりかたに移行できないか、と思って国連から東京大学に
進路を移し、今現在の研究を行っています。

今現在の研究のことをお伝えすると、
自然生態系と調和した農業のあり方を考えた場合に、
① どうやって生態系を豊かにしながら農業を行うか、
という技術的な問題
② どうやって社会としてそれを支えていけるようになるか、
という社会的な問題

先生の研究室では学生がそれぞれどちらかを取り組んでいらっしゃいます。
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技術的な話では、たとえば自然農法のように、
農薬はもちろんのこと、肥料も肥料らしいものは何も入れずに、
それでも野菜がとれる、という農法があります。
とても素晴らしい技術なのですが
現状のところ誰でもすぐにできるわけではない。
(土が豊かになるまで10年かかるといわれています。)
それを短期間でできるようにならないか、
という実験を東大農場のなかで試されています。
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社会的な話では、何故自然を破壊するような農業の形が生まれてしまうか、
どこから変えて行けばいいかと思うとそれは消費。
まずは見かけと値段で皆さん野菜を選びますよね。
安くて良さ気なものを買う、という風潮が出てくるとそのように
生産も流通も動いていかないといけない。

そうではない、生産者と繋がって環境を考えた農業をできるために
どうしたらよいか。

アメリカのエディブル・スクール・ヤードを引き合いに出して
お話しもされました。このあたりは是非放送をお聞きください。
(生徒の自発的なやりたい事を大事にする教育です。)
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そして小学校の食育をどんなふうにデザインしたら、
子供の記憶に残って、生涯にわたって食べ物を作ることや環境について
自分で考えることができるようなるだろうか、ということを、
考え、同じ志をもつ学生達をサポートしながら活動されています。

「本当に宝石のような場所」というほど東大農場が大好きな宮沢先生。
どうやって地元の人たちが集まる良い場所にできるか、今もこれからも
ずっと考えていかれるそうです♪

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そんな素敵な宮沢先生にお会いしたい皆さん!
先生は3月に谷戸公民館で講演会を行います。
講演者は宮沢先生と、ユニココの若尾さん、
まちにわひばりヶ丘の高村さん。
「私たちと水、食べ物、エネルギーそして農業からまちを考える」
というタイトルです。
先生がお話しになるのはパーマカルチャーの話や、
コミュニティガーデンで何が参加者や運営者の満足度を高めるのかといった
最新の研究結果の話などになります。

3月5日(日)午後1時半から、谷戸公民館視聴覚室です。
参加無料だそうですよ!
興味のある方はぜひ行ってみてください!!
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タグ:食・農・森 宮沢佳恵  東大生態調和農学機構