『食・農・森』(食べる・作る・育む)~東大生態調和農学機構から 17年3月14日 第20回の放送は 山崎和久 特任研究員です!
『食・農・森』(食べる・作る・育む)~東大生態調和農学機構から 第20回放送
田無駅から徒歩10分も掛からないところに
30ヘクタール以上の耕地や森林が拡がる東大生態調和農学機構。
ここでは食料生産の効率化だけでなく、
地球環境を改善し私たち人類の生存を持続させるための
研究が行われています。
先端研究・教育の施設で、かつ一般開放もされているこの機構について、
現場の先生方や職員の皆さんが登場してお話をしてくださいます。
第20回の放送は山崎 和久 特任研究員をお招きしました!
山崎さんは長崎県の出身。
玉川大学で昆虫学を専攻し、ハチの生態を研究されました。
その研究を更に進めるために岐阜大学の大学院に進学し、
学位を取得。岐阜大学に研究員として残った後、
東京大学生態調和農学機構の特任研究員として勤務するようになりました。
子供の頃は、藪や山に入り浸って昆虫を採ったり観察したりする
毎日を送っていた山崎さん。
物心つく頃からずっと昆虫が好きで、
子供の時分にも色んな虫を捕まえて飼育・観察。
じっくり観察しないと見えてこない昆虫の行動や生態に気付き、
その意味を想像することが好きで、
この研究分野を志すきっかけになったそうです。
放送前半では先生の良く知る"ハチ"についての興味深いお話し。
クワガタやカブトムシなど、ごく限られた時期しか見られない
昆虫より、長い時期見られるハチが好きになったとの事。
(このあたりは音声を是非お聞きください♪)
現在の研究は斑点米カメムシの研究を高田まゆら先生の
元で行っていらっしゃいます。
稲作の害虫であるカメムシの調査などといった
研究に従事しています。
個人の研究としては、特定のカマキリを対象にして、
そのカマキリがなぜ近年になって
日本各地で見られるようになったのか、どんな生態を持ち、
他のカマキリをはじめとした昆虫との間にどのような相互作用があるのかを
調査されています。カマキリとゴキブリはなんと近縁の昆虫なんですって!
捕食するために体を変えたカマキリの素晴らしさをお話しいただきました。
思春期に虫取り網を持ち歩くのが恥ずかしくなった時、
山崎さんが選択したのは昆虫をとるのをやめることではなく、
いかにして昆虫に気づかれずに虫取り網を使用しないで
昆虫を取るか。
そのときの経験が、
調査でたくさんの巣を回収しなくてはいけない時に
大いに役立っているそうです。
多様な昆虫の世界や植物の関わりを知ることで
一般社会に貢献する事につながっていけば、と
話していらっしゃいました。
この仕事以外は考えられない、"好き"という
純粋な気持ちをずっと持ち続けている山崎さん。
昆虫博士として今後も活躍していってくださいね!!